三浦市のリハビリ型ディサービス「風の谷」利用者で頸椎損傷のHさん専用の箸。
何度も試作して、ヤッと、箸を開閉して、冷やし中華麺を挟み、持ち上げ、口まで運べました。
スパゲティも試しましたが、スパゲッティは中華麺と違って、麺の表面のオイルがあり、滑って摘まみ難いけど、何とか摘まんで持ち上げることはできた。
Hさんは笑顔の口元で・・ボソッと「次の改良品を試せるまでに、もっと上手く食べるように指のリハビリを続けるヨ!(笑顔)」と一言。
Hさんから3つの改良依頼が聴けました。
①箸の取付角度が細かく調整固定できること、
②箸の太い側が親指側に寄せてほしい、
③握り板をベルトで固定すること。
改良依頼を受けて、ベルトを追加、箸の角度が水平方向に無段階に調整できるようにカシメ機構を設けました。
それでも最後は、U字バンドをお湯に漬けてPLA樹脂を軟化させ捩じる微妙な角度調整が必要でした。
開発の過程で食材を摘まむ箸の動作を観察してみました。
人間は中指・人差し指と親指の3点支持した外側の箸だけ開閉させて食材を摘まんでいます。
手前側の箸は親指の薬指の腹と親指の付け根に挟み、ほとんど動かしていません。そのことをヒントに、本品は手前側の箸は半固定状態で、外側の箸だけ簡単に開閉できる板バネの連結ホルダーを3Dプリンターで造形しました。
つまり2本の箸を連結するU字連結ホルダーは外側の箸だけにバネ特性を持たせています。実際に使ってみて、使い易いことを実感できました。