拇指の伸展装具
麻痺の親指を板バネで広げる自助具「親小バンド」が進化しました。脳梗塞の後遺症を克服するリハビリを毎日続けている神奈川県海老名市のIさんから嬉しい連絡がありました。Iさんは懸命のリハビリの甲斐があり指が動くようになりましたが、指を広げる動作がむずかしいしそうです。
今回は手首にベルト固定することなく、簡単に装着できる「シンプルな親小バンド」を試作しました。開発当初は親指と小指を板バネで連結して指を広げる動作を想定していました。でも小指でなく人差し指と連結したら親指と人差し指の間が広がりのでモノをつかむ動作が楽になる」ことをIさんから教えてもらいました。
この「親小バンド」を装着すれば、「タオルケットやハンカチが両手でたためる」「マヨネーズや醤油や薬袋などの小袋が麻痺側の左で摘まめるのでハサミで小袋をカットし易い」「板板バネは指が広がる方向に誘導してくれるので指を開閉し易い」などの嬉しい感想が聴けました。人間の5本指の中で一番大きな役割を担っている親指と人差し指の連動が「モノをつかむ基本動作」なんだと再認識しました。
板バネの両端にはシリコンゴム製ケーブル用結束バンドを取り付けたので、指の太さに自由に調整できます。
以前 三浦市のリハビリ型ディサービス「風の谷」のSさんからも同じような依頼があり、「手首にベルトで固定してピアノ線で吊り上げるタイプ」の自助具を届けたことがありました。Sさんはグーのときに親指が潜ってしまうため困っているとの相談でした。